蜂須賀敬明のしゅみラークル

趣味にまつわるあれこれを、おつたえします。

内牧温泉の話

内牧温泉は、熊本県の阿蘇山から北に行ったエリアに広がっています。

 

僕は10泊11日の鹿児島までの鈍行旅行の際、

ずっとホテル暮らしが続いていたので、

どこか1箇所くらい温泉宿でゆっくり休もうと考え、

熊本に降り立ってからレンタカーをして、

阿蘇山をのんびりとドライブすることにしました。

 

僕はたまにレンタカーでドライブをしますが、

晴れた日の阿蘇山周辺をドライブするのは本当に気持ちがいいです。

山の斜面で広い景色を眺めながら、草を食む牛たちを見ていると、

楽園に近い場所のようにも感じてしまいます。

 

関東育ちの身としては、九州は何かとスケールの大きな印象を受け、

阿蘇周辺では、美味しい乳製品やあか牛など、

畜産品が非常に豊かであり、

太陽の恵みをたっぷりと受けて、大変に居心地の良い場所でした。

 

逗留した内牧温泉の旅館・親和苑は、

趣ある日本家屋を現代風に修繕してあるモダンな建物であり、

露天風呂のすぐ横に畑が広がっている、

なんとものどかで、山に太陽が沈んでいくさまを、

のほほんと眺めることができました。

 

寒い地方の温泉は、

どちらかというと身体に直接影響を与えて、

熱を染み込ませてくれる印象がある一方、

暖かい地方の温泉は、

心の緊張を緩和してくれるような印象を受けます。

 

仲居さんも気さくな方々が多く、

夕食も新鮮な野菜や牛肉、炊きたてのお米など、

熊本の豊かさを如実に表す数々に、

とことん打ちのめされてしまいました。

 

僕が訪れたのは2014年で、

それから2年後に熊本県では大きな地震に見舞われました。

僕が訪れた宿は倒壊こそ免れたようですが、

だからといって、明日からすぐに元の生活になる、とはならないのが、

天災の恐ろしいところです。

 

阿蘇周辺はインフラが多く乱れ、

住んでいる方々も大変な苦労をなさいました。

僕は2014年の旅で、工程をかつかつにしていたせいもあり、

熊本城を見ずに離れてしまったことを、

今でもすごく後悔しています。

 

一期一会という言葉は、とても単純ではありますが、

日常が明日も続くとは限らないのが、

僕らの生きている世界の残酷なところでもあります。

 

ですので、少しでも多く旅をして、思い出を作り、

もし、見知った地が何かの災害に巻き込まれてしまった時は、

その地を思い出すことが、はじめに大切なことではないでしょうか。

 

熊本は機会を見て、再訪したいと考えています。

もっとたくさんの場所を見て、人に出会い、美味しいものを食べ、

土地の記憶をどんどん増やしていくことが、

旅人にできることだと、僕は考えています。