蜂須賀敬明のしゅみラークル

趣味にまつわるあれこれを、おつたえします。

ロマンシング サ・ガ2の話

RPGのボスというと、世界征服を目論んでいたり、

人類を根絶やしにしようとしていたり、

いわゆる悪というイメージを描きやすい方々が多かったのですが、

ロマサガ2のクールなポイントは、ラスボスが、

かつて世界を救い、人類に裏切られて復讐者となったという背景にあります。

ふつうのRPGとは、一味違うのがサガシリーズの魅力です。

 

ロマサガシリーズの魅力は伊藤賢治さんの音楽や、

小林智美さんの耽美なグラフィック、エッジの効いたバトルシステムなど、

挙げればきりがありませんが、小説家としては、

河津節と呼ばれる独特のセリフ回しこそ、世界観を支える重要な要素だと、

僕は感じています。

 

サガシリーズはゲームボーイから始まったシリーズなので、

もともと容量的に、長いセリフを入れられないという制約があったのですが、

結果として、限られた枠内の中で、印象的なセリフが厳選されており、

「かみは バラバラになった」や「殺してでも うばいとる」など、

数々の名言が生まれました。

 

ロマサガ2は、サガシリーズとして培ってきたものと、

SFCの表現力が絶妙に混じり合ったマスターピースであり、

物語が、吟遊詩人によって語られるところから始まる、というのが、

なんとも文学的であり、非常にかっこいい。

 

RPGの主人公は、決められた1人のキャラだ、と考えていた身としては、

時代が進むにつれて、皇帝の能力を継承していき、

前皇帝の仲間が、新皇帝になっていく、

ある意味で合理的なシステムには、当初かなり抵抗感があったのですが、

進むにつれてかつての皇帝がひらめいた技を、

次の世代の皇帝が使っているのを見て、胸が熱くなり、

七英雄との最後の戦いを終えた後の、

あの演出には、セリフがないからこそ、凄まじい時の重さを感じるのです。

 

サガシリーズは徹底して、既存のRPGをぶち壊していくことに定評があります。

時に、ユーザーが驚くほどの進化を遂げることもありますが、

ここまで変化を求めて、様々な試みをやめようとしない姿勢には、

畏怖のようなものを感じています。

 

執筆中に、つい筆が乗り、必要以上にセリフを描き過ぎてしまった時は、

いつもサガのことを考えて、短いセリフで、

ズバッと決めなあかんぞ、と自分に言い聞かせています。